バッチ博士の遺産:なんじ自身を癒せ 最終章

今まで理解してきたとおり、病気の克服ができるかどうかは主に以下のことにかかっています。

(1)私たちの性質の中に神性が存在していて、そのために悪いものをすべて克服するできる力を持っていることを認識すること。
(2)病気は基本的に、魂と個性の対立が原因で起こることを理解すること。
(3)そのような対立の原因となっている欠点を見つける意志と能力があること。
(4)それと拮抗する得を育てることでそのような欠点を取り除くということです。

治療においては、私たちが病気を克服するために必要な知識を与え、治療を行うだけでなく、
私たちの心と身体を強くするような薬を投与し、私たちが少しでも病気に打ち勝ちやすい状態を作り出す必要があります。

私たち自身は、心を安らかにし、調和をはかり、個性を伸ばし、目的意識をしっかりと持たなければなりません。
そのためにはほんの少しの時間でも毎日安らぎを保つことの美しさ、落ち着くことの大切さを静かに考える時間を持つことが実際には役に立ちます。
そのようにして行動する方がすべてのことを効率よくできるようになり、多くを達成できると気付くことも大事です。
人生における自分の行動を自分自身の魂の欲するところと調和させ、この世の問題にも障害にも乱されないでいられるような平安な状態を保つことは、
非常に大きな偉業であり、それは私たちに想像を絶するほどの平和をもたらしてくれます。
はじめのうちはこれは途方もない夢のように思えるかもしれませんが、実際には忍耐強く努力することで可能になります。
だからといって聖人にならなければならないといっているのではなく、私たちの多くはもう少し地味な役割が与えられています。
人生の喜びや冒険することの意味を理解し、私たちの中に存在する神性が私たちのために命ずる仕事を遂行するよう要求されているのです。

病気にかかっている人にとって、心の平穏と魂の調和を図ることが回復するための最大の助けになります。

私たちの人生は、自分の性格を魂のどれだけ近いところに持っていけるかによって変わってきます。
近ければ近いほど得られる調和と安らぎは大きく、そして、よりはっきりと真実の光が、崇高な幸福の光が輝くことでしょう。
真実を知ることでこの世の出来事がどんなに悲劇的に見えようと、人類が進化していく上での、それはひとつの過程に過ぎないということが理解できます。
私たちが自分自身の魂と絶えず会話を続けていれば、この世は喜びの世界に変わり、どんな悪い影響も私たちの上に降りかかることはないでしょう。

次に私たちは、自分自身の魂の命令だけに従い、環境や他人に左右されないように個性を伸ばしていき、
世俗的な束縛から自分を自由にしなければなりません。
自分の感情に惑わされず、物事の善悪を判断し、親族や友人の前でも恐れずに行動できるようにならなければなりません。
見せかけの愛情や優しさ、間違った義務感などを容赦なく排斥しなければなりません。
自分自身の魂の声だけが自分の義務であることを心に留めておかなければなりません。
それと同時に、自分と同様、誰もが自由であるよう、他人に何も期待しないように気をつけなければなりません。
その代わり、人が助けを必要としているときや困難にぶつかっているときは、いつでも助けることができるようにしておきます。
人生で出会う人はすべての人が人生を共に旅する仲間です。

次に私たちは人生を全うするために強い信念を持ち、山頂を極めたるための確固たるした決心をしなければなりません。
道から外れても後悔などしてはいけません。どんな欠点もなく失敗もせず山頂まで上り詰めた人など1人もいないのです。
失敗は次に失敗しないための経験だと考えるようにします。知識を得ることで、同じ間違いを繰り返さなくなります。

そして、恐れを捨て去ること。

最後に愛を育てることで、私たちはユニティについて理解ができ、私たちの誰もがひとつの偉大な天地創造の一部であるという真実が理解できます。
そして人は、創造主の無限の愛の計画に連ならなければなりません。
この愛の計画に参加し、若い人たちに尽くすことに大きな喜びを見出していきましょう。

参考図書:『バッチ博士の遺産』 著者エドワードバッチ 発行者バッチホリスティック研究会

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