バッチ博士の遺産:なんじ自身を癒せ 第3章

第2章では、人についての大原則について学びました。
そこで、病気になる原因となる「ユニティに反した行動」という言葉が出ましたが、
それについて具体的に三章では説明しています。

第3章

治療を確実に成功させるためには、根源にある原因を取り除かないで、
最終的に現れた結果だけを治療していたのでは全く効果が無いのは明らかです。

ユニティと対立する行動のパターンは何種類にも分けられますので、
これらの行動の結果である病気もその原因に対応していくつかのグループに分けられます。
ですので、病気は役に立ち、苦しみは私たちが間違っているときにそれを指摘し、
そして私たちを早くすばらしい完全な状態へと導いてくれます。

ユニティと対立する行動のパターンは、
主に高慢、冷酷さ、憎悪、自己愛、無知、不安定さ、貪欲さなどです。
この欠点こそが、本当の意味での病気であり、経験を重ね学んでいくうちに、
例え欠点に気がついてもそれを改めず、引き続き過ちを犯し続けるようであれば、
病気という形となって症状が現れてきます。

…高慢とは…
個性が魂に依存していることや、成功は一人で手に入れたのではないということを
理解していないときに起こります。
もしくは、調和の感覚を失い、自分が天地創造の過程の中に存在する
ほんの小さな存在であるという感覚を失ったときに高慢になります。
高慢だと、神の意思と対立する行動を取ります。

…冷酷さとは…
すべてのユニティを拒むことです。
他の人を害するどんな行動もすべて ユニティを拒むことです。
私たちを苦しめる人に対してすら、愛とおもいやりの心がわくようになるまで
私たちが成長しなければなりません。

憎悪とは…
愛の対極にあり、天地創造の主を拒否します。
ユニティとの対立を招き、神の愛に従わないような行動や考えしかもたらしません。

自己愛とは…
ユニティを拒否し、自分を大事にし、同胞に対する義務を否定します。

…無知とは…
学ぼうとせず、真実を見る機会を与えられても、それを見ることを拒否することです。

…不安定(優柔不断、目的意識の希薄さ)とは…
ハイヤーセルフ(高次の自己)に個性が支配されることを拒んだ結果起こります。
自分自身の弱さから、人を裏切る行為です。

…貪欲とは…
権力への欲望へと発展し、人々の自由と個性を否定します。
創造主の力を奪い、人に命令し、支配したいと渇望します。

以上は本当の病気の例であり、すべての苦痛と苦悩を起こす元凶です。
この元凶がもしハイヤーセルフの声に逆らい、いつまでも改められずにいると、
必ず肉体に反映され、対立を生み出し、以下のような欠点特有の病気になります。

病気のタイプに着目することで、逆にその欠点を知ることが出来ます。

高慢
尊大さと頑固さにつながり、身体を硬直させ、
関節の痛みやコリを誘発するような病気にかかりやすくします。

冷酷
痛み。痛みを通じて他人に迷惑をかけないようにすることを学びます。

憎悪
孤独、激しく押さえることの出来ない感情、神経質な感情の嵐、ヒステリー。

自己愛
内省から来る病気。神経症、神経衰弱

無知
毎日の暮らしが困難。刹那的でゆがんだ目や耳でしか物事を捉えられなくなる。

不安定
身体も似たような症状を起こし、動きや筋肉運動の整合性に影響を及ぼすさまざまな障害が現れる。

貪欲
病気によって欲望や野心が強く抑制されるために、自分の肉体の奴隷になるような病気にかかります。

このように、身体のある一部が病気になるのは偶然によってではなく、原因と結果という因果の法則によって引き起こされますから、
解決の糸口もそこにあります。

私たち自身の中にある間違いを見つけ、欠点と戦うのではなく、欠点を打ち破るだけの徳を懸命に育てれば、
私たちの性格から美徳に反するものを洗い流し、病気を予防することも出来るでしょう。

参考図書:『バッチ博士の遺産』 著者エドワードバッチ 発行者バッチホリスティック研究会

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